イギリスの伝承童謡マザーグースの一篇 "オレンジとレモン"。 ロンドンの鐘の名前を順番に歌いながら、"ロンドン橋落ちた" や "通りゃんせ" のような遊びをする、イギリスでは誰もが知る歌です。 小説や映画の中で引用されることも多く、有名なのはジョージ・オーウェルの「1984年」ですが、私が初めて "オレンジとレモン" の歌を知ったのは、P. L. トラヴァースの「メアリー・ポピンズ」でした。 シリーズ3冊目『とびらをあけるメアリー・ポピンズ』の中のエピソード「トイグリーさんの願いごと」で、ジェインが好きだと言う "オレンジとレモン" (ちなみにマイケルは "ロンドン橋が落ちる" をあげています)。明るく爽やかなタイトルのその歌が、ギョッとするような歌詞で終わると知ったのは、それから更にずっと後のことでした。 以下に原詞と谷川俊太郎による訳詞、小鳩くるみさんによる歌唱音源をあげておきます。 『"Oranges and Lemons" (原詞) Oranges and lemons, Say the bells of St. Clement's. You owe me five farthings, Say the bells of St. Martin's. When will you pay me? Say the bells of Old Bailey. When I grow rich, Say the bells of Shoreditch. When will that be? Say the bells of Stepney. I'm sure I don't know, Says the great bell at Bow. Here comes a candle to light you to bed, Here comes a chopper to chop off your head.』 『"オレンジとレモン" (訳:谷川俊太郎) オレンジとレモン セント・クレメントのかねはいう おまえにゃ5ファージングのかしがある セント・マーティンのかねはいう いつになっ...
フランスのイラストレーター、 マリー・マドレーヌ・フラン=ノアン(Marie-Madeleine Franc-Nohain, 1878-1942)による"Alphabet en images"(1933年)。 アルファベット絵本というと、A-abeille(蜜蜂)、B-bouquet(花束)、C-chat(猫)のように、動植物や物の名前で説明するものが多いと思うのですが、こちらは人名を組み合わせた珍しいタイプ。 しかも「VINCENT va au village vendre son veau(ヴァンサンは子牛を売りに村へ行く)」のように、登場した子どもの名前と同じ文字で始まる名詞や動詞を使って文章が作られていて、言葉を学ぶための本としてなかなかよく考えられていると思います。この文章もマリー・マドレーヌ・フラン=ノアン自身によるもの。 M・P・S・Vの4文字が2枚ずつあるため、イラストは中表紙を含めて31枚あります。
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